<選択科目「将棋」>
短大を卒業してからもう二度と学校になんて通うことはないと思っていたが、
ふと気付いたら教壇に立っていた。
目の前にはいまどきの高校生たちが座っている。
いやあ、人生何が起こるか解らないとはこういうことを言うんだなあ。
大阪府立長吉高校は大阪初「将棋を授業に取り入れた」高校。
ここへお手伝いに行くようになってもう4年目。
今回は平成15年前期の授業に参加した生徒たちの画像とともに、
我が「長高(ナガコウ)」を紹介したいと思います。
<長吉高校>
木谷紀彦先生の作るプリントはすごい。
初心者向けの莫大な資料から抜粋してあるのだが、
1年目より2年目、2年目より3年目と内容がパワーアップしている。
1年目に作ったものに対して生徒の反応が悪かったりすると、
次の同じ時期には一段とわかりやすく解説してあるのだ。
木谷先生の将棋に対する熱意がプリントからも感じ取れる。
高校生は昔の自分を見ているようで楽しい。
ちょっと反抗的で、でも確実に大人に近付いているって感じ。
いろんな個性があって、自己主張もあって面白い。
木谷先生はその個性的な子どもたちを冷静に見ている。
あー先生って生徒をこういう目で見ていたのかと時々びっくりすることもある。
私は将棋の授業だけの先生だから、無責任かな。
でも、みんなが将棋を楽しいって思ってくれたらいいなといつも思っている。
最初は公文の駒(動かし方を表記してある駒)で四苦八苦していた蒔田くんとまなちゃんが、
最後の授業では普通の盤駒で必死に戦っていた。
そういう姿を見るだけで、胸がじーんとして、
将棋の授業を受けてくれてありがとうよ!と思う。
最初から将棋をちょっと知っていた
川住くん、南くん、金光くん、喜多くん、笹原くん、越智くんが、
棒銀を覚えて「どうやって受けたらいいのかな」と話し合っているのを聞くだけで
おお!そんなことまで気になるようになったかね!と感動する。
みんな強くなったもんね。
なんとなく将棋の授業を受けて、
なんとなく指せるようになっていた高橋さんと福田さんは
女の子同士戦うと、なんとなく勝ってた。すごいよね。
万木ちゃんは飲み込みが早くて、女の子の中では一番強くなった。
じっくり指せるのが強みだったよね。
さーやはお人形さんのような可愛い顔でブツブツ言いながら指してた。
その姿がちょっとボヤキのおっちゃんみたいだったのが面白かった。
ぶつぶつ言うっちゃあ田中くんと南野くん。
いっつも二人でぶつぶつ言いながら、人にもぶつぶつ言いながら指してた。
その他みーんな、ほんとにお疲れさま!
将棋とこんな形で接してくれたことをほんとにほんとに感謝します。
興味もないのに受けてくれた子が何人もいて、
それなのに楽しんでくれたことはすごく嬉しかったです。
木谷先生、長吉高校では改めて「学校」を見ることができました。
今でも職員室に入るのはすごく緊張しますが(いまだ生徒の気分です)
先生に囲まれて新たな社会勉強ができました。
のびのびと一人一人の個性が光る学校だなあ。
いつもそう思っています。
10月からは後期の授業が始まり生徒が入れ替わる。
またいろんな個性が教室に集まり、公文の駒はひっぱりだこになっているだろう。
そしてまた、新たな将棋ファンが出来ることを祈りつつ…。
長吉高校ばんざい!
どかん3号