桃山学院大学将棋部HP
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  キャンパスの通り

チャペル
 
キャンパスへ至るレンガ通り

 

(はじめに)

今回、こうして「将棋の輪」で紹介していただくきっかけとなったのが、桃山学院大学総合研究所の共同研究プロジェクトである。この共同研究プロジェクトは地域社会との連携を重要視し、従来行ってきた共同研究活動に加え、2002(平成14)年には地域社会連携研究プロジェクト制度を新たに開設しました。

これらのプロジェクトは共同研究にふさわしいテーマを設置し、学内外の研究者との連携をはかり、3年間単位の研究活動を続けるというもの。
そして、数あるテーマの中で注目を集めているのが、「日本文化としての将棋−大阪南部地域との連携−」である。将棋を代表的な日本文化の1つととらえ、その多様性について論議を行っている。その中で「どかん6号」こと熊澤良尊さんに「将棋駒の世界」についての講演を聞かせていただく機会がありました。

この共同研究プロジェクトには学生である将棋部のメンバーも参加させていただいている。通常、こうしたプロジェクトに学生が加わる事はあまりない。
それだけに毎回、貴重な体験をさせていただいていると言って良いだろう。
そして、前回の研究会ではどかん3号・4号さんにも参加していただき、「将棋の輪」のお話をいただいたのが始まりです。内容について特に指定はなく、自分達の感性を見せていただきたいとの事でした。

そこで、今回は「関西学生将棋事情〜桃山学院大学将棋部の場合〜」と題して、将棋に燃える学生達の様子をお届けしようと思います。

 


(桃山と関西学生棋界)


桃山学院大学は1959年に開学、当時は大阪市阿倍野区昭和町にあった。
将棋部は開学して間もなく誕生しており、文化サークル連合の中でも歴史のあるクラブの一つである。
その後、大学は登美丘キャンパス(堺市西野)に学舎統合され、1995年には現在の和泉市まなび野に全面移転された。
大学の最寄り駅は泉北高速鉄道の「和泉中央」駅。そこから徒歩で約10分、英国調のアカデミックなキャンパスが見えてくる。赤レンガで出来た教室棟やキャンパスのシンボルであるチャペルは一見の価値あり!です。

将棋部は総合体育館に隣接する部室棟の1階、文105に部室がある。冷暖房完備はもちろん、将棋部といえば畳である。
スペースもそれなりにあるし(12畳ほど)、関西の大学将棋部の中では割合恵まれた環境といえる。部員数は12名(2003年8月現在)。決して多いとはいえないが、その分、部員同士のコミュニケーションは盛んだ。

一応、毎週水曜日を例会日としているが、ほとんどの部員が毎日部室に顔を出す。そして、誰か見つければ「一局指そうか?」という感じである。
大学の校風と同様に「明るく、楽しく、自由に」がモットーなのだ。

しかし、そんな部員たちが真剣になるイベントがいくつかある。1つは月に一度行われる月例指導対局。指導棋士の土井春左右六段に来ていただき、部員の棋力に応じて(駒落ちから平手まで)ミッチリ指導していただいている。

そして、もう1つは学生将棋の醍醐味ともいえる団体戦である。関西地区では関西学生将棋連盟のもとで年に2回(春と秋)、「一軍戦」と呼ばれる7人一組の団体戦が行われている。

関西ではA・B・C級の3つのクラスがあり、この一軍戦の結果次第で各級の昇降級が決まる。まさに、各校の精鋭たちがメンツとプライドを懸けた真剣勝負なのである。
桃山はここ数年、低迷を極め、全くC級から脱出できない状態が続いていました。しかし、昨年の春季一軍戦では戦力・気力共に充実し、壮絶な入れ替え戦を勝ち抜いて念願のB級昇級を果たしました。
これは10年ぶりの快挙であり、関西学生棋界でも大きな話題となりました。残念ながら、その後の秋季一軍戦では再びC級に降級してしまいましたが、来季はリベンジを果たすために部員も燃えています。

また、春季一軍戦の優勝校、第二代表校は西日本大会へ。秋季一軍戦の優勝校、第二代表校は王座戦(全日本学生将棋団体対抗戦)の出場権をそれぞれ獲得します。
特に年末に行われる王座戦は学生大会の最高峰であり、観戦するギャラリーが多い事でも有名です。その会場の独特の雰囲気に飲まれて力を出し切れずに敗れる選手も少なくありません。
全国の大学将棋部が王座戦に出場するために、日々、研鑚しているといっても過言ではないでしょう。

教室棟(1号館・トマス館)
 
対局の様子(H15年度・西日本大会)
 
対局の様子(H15年度・春季一軍戦)
 
将棋部のある部室棟
 
通りから見た教室棟
部室棟1F・将棋部BOX(手前)前の通路
部室で対局する部員+部室の様子



(世代を超えた交流)


 桃山学院大学将棋部ではこれまでに紹介した部活動の他に簡単なボランティア活動も行っている。
2002年度から完全週休二日制が実施され、どうすれば子ども達が休日を有意義に過ごせるか議論されている。そこで注目を集めているのが将棋である。

将棋部は昨年の春から大学近くの子ども塾に毎週土曜日に指導に行っている。小学3〜6年生の子が主で、人数は日によってまちまちである。指導といっても小難しいものではなく、部員と対局をこなしたり、簡単な詰将棋を解いたりする。
また、詰将棋を解いた子にはご褒美としてちょっとしたお菓子をあげる等、ゲーム的な要素も取り入れている。毎週欠かさずに来ている子の中には立派に四間飛車を指しこなす子もいて、将来が楽しみだ。

将棋は遊びを通じて子どもの知能発達や集中力に貢献するだけでなく、現代社会に必要なマナーやフェアプレイ精神の育成にも役立つと思う。
先日、日本将棋連盟の専務理事となられた米長永世棋聖は「日本中の学校に将棋を導入する」という政策を打ち出された。
子ども達に将棋を教えている端くれとして、嬉しいと同時にとても素晴らしい提案だと思う。実現への一歩をまだ踏み出した所ですが、後に大きな一歩であったといえるような日が来る事を望みます。

 将棋部の活動はこれだけに留まらず、地域社会との交流も盛んである。特に近隣の信太山老人ホームとは半年に一度、将棋による交流会を行い、世代を超えたお付き合いをさせていただいている。
「棋は対話なり」という言葉の通り、お互いに駒を動かし合うだけで心が通じ合う気がするのは不思議なものだ。

普段、勝負の世界に身を置く事が多い自分達にとって、勝敗以外の何か大切なものを思い出させてくれるきっかけとなった。
昨年の桃山祭(大学祭)では老人ホームの方々を招き、斎田晴子女流四段による特別指導対局も行われた。皆さんとても満足していただけたようで、とにかく「良かった」の一言。
今年はまだ交流会が行われていないが、次回はより充実した内容にしたい。

   
部室で対局する部員
 
関西学生将棋連盟

(最後に)

 最初にどかん4号さんから「将棋の輪」のお話をいただいた時は、「桃山をアピールする良い機会」と気楽に考えていました。
しかし、参考にバックナンバーを覗いてみると、その力の入れように驚かされるばかり・・・。そのうち、「これはえらい事を引き受けてしまったのではないか?(^^;)と少し不安になりましたが、何とか最低限の事はお伝えできたのではないかと思います。
今回の記事を読んで、少しでも関西学生棋界に興味を持っていただければ幸いです。拙文にお付き合いいただきありがとうございました。
     

桃山学院大学将棋部 辻田 智秋
          (記事、写真提供)